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#82:堕天使

#82






『お掛けになった電話は電波の届かないところにあるか、電源が入っていないため掛かりません…』


俺は「チッ」と舌打ちをしながら、もう何度聞いたか分からない電話案内のアナウンスが、2回目を繰り返す前に電話を切った。


何故だか胸の中がモヤモヤして、頭の中がイライラして、何をやっていても集中できない自分がいる…


まひると連絡が途絶えてもう3日が経った…


アパートにも出向いたが、人の気配はありそうなのに玄関には誰も出て来なかった。




「いったい、何やってるんだよ!」




思わず、秘めていたイライラが口を吐き、ラウンジのカウンターテーブルを拳で叩いてしまった。




「…サトシ、ここ数日…荒れてるな」




グラスを磨いていた店長が、俺の方は見ないまま静かにそう言った。


他人には見せないようにしてきたつもりだったが、店長には見透かされてしまっていたようだ。


でも、それを認めたくなくて俺は返事をしないまま、飲みかけのウイスキーを一気に飲み干した。


…と、その時だった。


俺の携帯電話が振動し着信を知らせた。


俺は急いでディスプレイを開き、着信相手を確認して肩を落とした。


着信相手は留衣子だった…




「ねぇ、サトシ…庄野まひるとは連絡取ってる?」




「いや…何で?」




「そう…川原くんから彼女の様子を見てきてくれないかって。まだ、彼女…会社休んでるらしくて。私が行けたらいいんだけど、色々と忙しくって…」




「俺が様子見てくれば言い訳?」




留衣子が言い出す前に、気の利いたフリをしてそう告げたものの、もう既に様子を見に行ったことは、口が裂けても言い出せなかった。




「あのマンション、父の会社の所有物件なの。鍵は用意してあなたのマンションのポストに入れておくわ」




今度は留衣子が気の利いたことを言ってくれたお陰で、俺は案ずることなくまひるのマンションへ出向くことが許された。


やはりその日も、まひるの電話は通じなかった。


次の日、マンションのポストに鍵が入っているのを確かめてから、俺は急いでまひるのマンションへと向かった。



ドアノブに手を掛けると、不思議なことにドアが開いていた。


やはり、まひるは居たのだと安堵の溜め息が漏れた。


ドアを開けて玄関に一歩足を踏み入れると、俺の目に飛び込んで来たのはバッテリーの外れたまひるのスマートフォンだった。


嫌な予感がして、俺は慌てて部屋の中に入った。


俺の目に映ったのは、ベッドの上で裸のまま身悶えるまひるの変わり果てた姿だった。






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