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#67:堕落(その9)

#67






「お仕置きって…」




そう呟く私の脳裏に、サトシのマンションの秘密の部屋での出来事が蘇ってきた。


傷だらけになったサトシの姿が生々しく思い出され、私は目を硬く閉じた…




「思い出した?あの日…あの部屋のドアから、あなたは聞き耳を立てて、しっかり濡らしてたものね。サトシに興味があるんじゃなくて、そういうことに興味があるんじゃないのかしら?」




「そんなこと…」




「ないって言える?…ほら、自分のアソコ、確かめてご覧なさいよ。もう、濡れてるんじゃない?」




意地悪そうに言う留衣子の言葉に、私の顔はカッと赤くなり、羞恥心からか携帯電話を握り締める手が震え出す。




「…やめてください。私はそんなこと…望んでませんから…」




「だったら、余計よ!サトシ私が手に入れたばかりの大事なオモチャなんだから!…あなた、きっと…川原君に振られてヤケになってるんじゃない?」




留衣子の言葉が荒々しくなったと同時に、玄関のドアがガタっと音をたて、静かな部屋中に響き渡った。


私の体に戦慄が走り、まさか…という思いが私の脳裏を駆け巡った。


電話の向こうから、留衣子が黙り込んだ私の名前を何度となく呼んでいるのが、ぼんやりと聞こえてくる。


私は傷だらけの肌を隠すように、Tシャツを無造作に頭から被ると、音を立てないように玄関へと向かった。


あの日、サトシと玄関で交わった時に感じた何者かの気配を、再びドアの向こうに感じていた。




「サトシはダメよ。私の物には手を出さないで!」




留衣子の息巻いた声を微かに聞きながら、私は恐る恐るドアスコープに近付き、何者かの気配を確かめようとする。


心臓が高鳴って、私は浅い呼吸を何度か繰り返した。


もしや…この気配は留衣子…?


そう予感しながら、私はドアスコープを覗き込んだ。


しかし、私の目に映ったのは、向かいの壁を映すだけのドアスコープの景色だけだった。


その時、再びドアがガタっと音をたてた…


私の体がビクンと震えて、思わず声が出そうになるのを必死で呑み込む。


恐怖に駆られながらも、私の中で、その気配を確かめたいという思いが勝っていたのか、私は鍵を開けゆっくりとドアを開いたのだった。






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