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#61:堕落(その3)

#61






川原はサトシの挑発的な言葉に、顔を真っ赤にした。


アタッシュケースを持った右腕が怒りで震えている。


川原はチッと舌打ちすると、サトシを睨みながら、何も言わずにその場を立ち去ろうとした。




「川原さん、聞かなくていいんですか〜?」




追い討ちを掛けるように、大きな声を上げるサトシの方に踵を返して、川原は勢い良く向かって来た。


二人からは死角になった場所で、やり取りを見ていた私は、思わず身を乗り出した。


近付いてきた川原は、サトシの襟首を掴むと「俺には関係ないことだ」と低く、くぐもった声でサトシの耳元に囁いた。


暫くの間、その状態で睨み合っていた二人だったが、携帯電話の着信音がポケットの中で鳴り響いた川原が、先に手を離す格好となった。


電話の相手は多分、沙織だろう…


荒げていた声がやんわりとなって、サトシからどんどん離れていった。


サトシはそんな川原の後ろ姿を見つめながら、掴まれて乱れてしまった襟を正すと、私の待つ方へと振り返った。


暗くてハッキリとはしないが、サトシの表情は何だかイライラしているように見える。




「まひる!」




近付いて来たサトシが私の名前を呼んだ声で、そのイライラは本当だったことを確信した。


サトシは遠くなった川原の姿を確認すると、後ろ手に縛られた私の腕を強引に掴むと、マンションの中へと早足に入っていった。




「何階?」




「5階だけど…ねぇ、サトシ…何か怒ってる?」




エレベーターに乗り込んだサトシは、四角い箱の隅っこで息が掛かるくらいの距離に私を引き寄せている。


そのせいか、サトシのイライラもすぐに伝わって来て、私は困惑した表情を浮かべるしかなかった。


私の質問には答えず、5階で止まったエレベーターから降りると、私に視線を送って部屋の番号を聞き出す。


サトシのイライラに釈然としない気持ちが募ったが、黙ったまま表情を変えないサトシに歯向かうことは、怖さが優って出来なかった。


部屋の前に来ると、イライラが治まらないサトシは、私のバッグの中を漁って部屋の鍵を見つける。


開いたドアの中に背中から押し込められた私は、バランスを失って靴を履いたまま、玄関先に倒れ込みそうになった。


縛られた体は重力には逆らえず床へと吸い込まれる。


硬く目を閉じた私の体は、すんでのところでサトシに後ろから抱き留められた。




「なんだかなぁ〜…アイツ見ると、ムカムカする。アイツにヤられてたまひるのこと考えただけで、イライラする」




後ろから抱きしめたサトシが、私の耳元でそう呟いたかと思うと、コートの裾をたくし上げて、私の秘部に触れてきたのだった。






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