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#49:秘密(その10)

#49






私の体から秘部を弄んでいた留衣子の指と、淫らな匂いが離れていく。


思わず言葉を発しようと唇を開きそうになった時、留衣子の携帯電話の着信音が部屋中に響き渡った。


優雅なクラシックの着信音は、仕事をする留衣子にはピッタリな感じだが、違う一面の留衣子を知ってしまった今、とても物足りなさを感じさせた。


ベッドから下り携帯電話を手にすると、確実に一オクターブは高い声で留衣子はやり取りを始めた。


私はそんな留衣子を横目で見ながら、冷静さを取り戻そうと必死だった。


火照った体を鎮めて、正気の自分を取り戻さなければ、私が私でなくなっていくようで怖くなった。


留衣子の指が私から離れていこうとする時、私は何を口走ろうとしていたのだろう…


あの時、唇から零れそうになった言葉が私の頭の中で繰り返される。


「…やめないで」そう口にしそうになった言葉を、言葉の形にならないほど噛み砕いた。


違う…


そんなこと思ってない…


もう一人の私が必死でその言葉を否定している。


しかし、もう一人の私は、留衣子の悪魔の囁きが、甘い囁きに変わっていくのを感じてしまった。


心では否定しながらも、今まで知らなかった快楽への扉に手を触れようと、手を伸ばそうとした自分に気付いてしまったのだ。




「…今から行くわ」




留衣子の言葉に私はハッと我に返った。


留衣子は携帯電話をバッグに戻すと、私の方をチラッと見て紅い唇を上げる。




「そういう気持ちになったら、いつでも連絡して。あなたが満足できる相手、紹介してあげるわ」




電話が終わった留衣子からは、さっきの淫らな匂いは消え、もう既に新たなメスの匂いが発せられていた。




「女は美味しいものだけ食べて生きなきゃ…ね」




舌舐りをする留衣子の妖艶さに圧倒されながら、私はサトシが留衣子を愉しませるオモチャであることを悟った。




「庄野さん、今から車を寄越すから、気を付けてお家に帰ってね。…あ、そうそう…隣の部屋の彼は起こさないで。相当、疲れてるみたいだから」




留衣子はそう言うと、軽い足取りで玄関へと向かって行った。


静まり返った部屋の片隅でゴトンと物音がして、私はベッドから飛び降りると隣の部屋のドアノブを回す。


サトシの姿を確認したくて、鍵が掛かっていることも忘れ、ドアノブをガチャガチャと必死で回した。


ドアのすぐ傍でサトシの気配を感じる。




「お願い…聞こえてるなら、ドアを開けて…」




私が言葉を発して暫くすると、ガチャリと鍵を開ける音が聞こえドアの隙間からサトシの手だけが現れたのだった。






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