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#30:サトシ(その13)

#30






オートロックを解除して、サトシは私の腕を掴んだまま、マンションの中へと入って行った。


マンションに入ると、陽射しを上手く取り入れた広いエントランスがあり、その先にエレベーターホールが見える。


数々の高級そうな装飾品を横目に、私はサトシに引っ張られながらエレベーターの前に辿り着いた。


引き裂かれたストッキングが足にまとわりついて、私の歩きを妨げる。


よろけそうになりながらも、そうならなかったのは、サトシの掴んだ腕の力が相当なものだったからだ。


私の腕を掴む、サトシの手のひらから伝わってくるものは、怒りだった…


エレベーターの扉が開いて、窓の付いた箱の中に私達は乗り込んだ。


幸いにして私の姿は人目に付くことはなく、さっきの道路で好奇の目に晒されるようなことは避けられた。


私はサトシに気付かれないように、小さな溜め息を吐くとエレベーターの窓に目を遣った。


地上の景色がどんどん小さくなった頃、ようやくエレベーターが止まった。


2002号室のドアの前でカードを取り出し、サトシがドアをゆっくりと開けた。


靴も何も置かれていない殺風景な玄関が目の前に広がる。


…と突然、私はサトシの力の籠った手のひらに背中を押され、何もない玄関に倒れ込んだ。




「痛っ…何するのよ!」




サトシの行動に私は驚きを隠せず、興奮したまま大きな声をあげた。


私の声に反応したのか、サトシは冷たい視線を上から落とすと、黙ったまま私の体を抱き上げて部屋の中へと進んでいく。




「ちょっと、離して!降ろしてったら!」




憧れたお姫様抱っこは、ちっとも心地好いものではなく、宙に浮いた体は支えを失ったように心許ない。


足をばたつかせて必死で抵抗を試みたが、余計にバランスを失うだけで、私の恐怖心を煽るだけに過ぎなかった。


宙に浮いた体は更に支えを失い、私はキングサイズのベッドに放り込まれ、柔らかなマットに身を沈めた。




「ギャーギャー、うるせぇんだよ!」




サトシはそう叫ぶと、横たわった私の体に覆い被さった。


今までにない荒々しさで、私の身に纏った衣服を引きちぎるように剥いでいく。


露になっていく白い肌は、痛いくらいに服の布が食い込んで赤味を帯びていく。




「お願い…やめて。…やめて―――」




尋常じゃないサトシの荒々しさに、私はただただ、恐怖で叫び声をあげていたのだった。







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